「いつか自分の家を持ちたいけど、予算が厳しい…」
「地方でのんびり暮らしたいけど、物件が見つからない…」
そうお考えの方にとって、「100万円以下で買える空き家」は夢のような話に聞こえるかもしれません。しかし、2025年現在、実際にそのような低価格の空き家は存在し、地方移住やDIYを楽しみたい層から注目を集めています。
この記事では、100万円以下の空き家がどのように市場に出回っているのか、賢い探し方から、安さの裏に潜むリスクまで、詳しく解説します。
【100万円以下の空き家は「存在する」が「特殊」】
結論から言うと、100万円以下の空き家は確かに存在します。しかし、一般的な不動産市場に多く出回るわけではありません。多くの場合、以下のような特殊な事情を抱えていることが多いです。
●地方の過疎地域に位置している:人口減少が進む地域や、交通の便が極めて悪い場所にある物件が多いです。
●築年数が古く、大規模な修繕が必要:数十年の歴史を持つ物件が多く、シロアリ被害、雨漏り、設備の老朽化など、住むためには多額の修繕費用がかかる可能性があります。
●再建築不可などの法的制限がある:建築基準法上の道路に接していない、あるいは敷地が狭すぎるなどの理由で、建て替えができない物件も存在します。
●権利関係が複雑:相続未登記や共有名義など、権利関係が複雑で売買に手間がかかるケースもあります。

【賢い探し方:どこで情報を見つける?】
100万円以下の空き家を探すには、一般的な不動産サイトだけでは難しい場合があります。以下のチャネルを積極的に活用しましょう。
1. 自治体の「空き家バンク」
多くの地方自治体が、空き家対策の一環として「空き家バンク」を運営しています。これは、空き家を売りたい所有者と、空き家を購入・利用したい人をマッチングさせる制度です。移住支援と結びついていることも多く、リフォーム補助金などの優遇制度が利用できる場合もあります。まずは興味のある自治体の空き家バンクを調べてみましょう。
2. NPO法人や地域の移住支援団体
地方移住をサポートするNPO法人や地域団体が、独自に空き家情報を収集・提供していることがあります。地域に根ざした情報や、移住後のサポートも期待できるため、積極的に問い合わせてみましょう。
3. 地元の不動産会社(大手より地域密着型)
一般的な大手不動産会社では扱わないような低価格物件でも、地域に密着した中小の不動産会社であれば、情報を持っている場合があります。直接足を運び、相談してみるのも良いでしょう。
4. 競売物件情報
裁判所が差し押さえた不動産が競売にかけられることがあり、中には低価格で落札できる物件もあります。しかし、競売物件は専門知識が必要で、リスクも高いため、専門家のアドバイスを受けながら検討することをおすすめします。
5. SNSや地域コミュニティ
地方移住や空き家活用に関するSNSグループやオンラインコミュニティでは、稀に個人間での情報交換が行われていることがあります。

【安さの裏にある「注意点」とリスク】
100万円以下の空き家は魅力的ですが、その安さには必ず理由があります。後悔しないために、以下の点に注意が必要です。
●多額の修繕費用:電気、ガス、水道、下水といったライフラインの引き込みや大規模な改修が必要な場合、物件価格をはるかに超える費用がかかることがあります。必ず事前に専門家による詳細な診断と見積もりを取りましょう。
●立地条件の確認:交通の便、買い物、病院、学校など、生活に必要なインフラがどの程度整っているかを確認しましょう。地方では車が必須となることも多いです。
●法的制限の有無:「再建築不可」の物件は、将来建て替えができないため、利用用途が限られます。購入前に必ず役所で建築基準法上の規制を確認しましょう。
●権利関係の確認:登記簿謄本を確認し、所有者が明確か、抵当権などの権利が設定されていないかをチェックしましょう。複雑な場合は、弁護士や司法書士に相談してください。
●近隣住民との関係:地域コミュニティが強い地方では、近隣住民との良好な関係構築が重要です。移住前に地域の雰囲気や慣習を調べておくと良いでしょう。
●固定資産税などの維持費:購入後も、固定資産税や都市計画税、火災保険料などの維持費が発生します。
【まとめ】
100万円以下の空き家は、地方移住やDIYに挑戦したい方にとって大きなチャンスとなり得ます。しかし、その安さの裏には様々なリスクが潜んでいます。
空き家バンクやNPO法人などを活用して賢く情報を集め、修繕費用や立地、法的制限などを十分に調査することが、後悔しない家選びの鍵となります。安易に飛びつかず、専門家の意見も聞きながら、慎重に検討を進めましょう。