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「低廉な空き家」とは?定義から見分け方まで徹底解説

最近、「低廉(ていれん)な空き家」という言葉を耳にすることが増えました。テレビやインターネットで「〇〇万円で家が買える!」といった情報を見て、興味を持った方もいるかもしれません。
でも、「低廉な空き家」って具体的にどんな家を指すの?なぜそんなに安いの?普通の家と何が違うの?そんな疑問をお持ちの初心者の方に向けて、この記事では「低廉な空き家」の定義から見分け方まで、徹底的に解説します。

【「低廉な空き家」とは?その明確な定義】

実は、「低廉な空き家」に明確な法律上の定義や基準はありません。しかし、一般的には市場価格が非常に低い空き家を指す言葉として使われています。
具体的には、数百万円、あるいは100万円以下の価格帯で売買されている空き家が「低廉な空き家」と呼ばれることが多いです。
なぜ、そんなにも低い価格で売りに出されているのでしょうか?その理由を理解することが、「低廉な空き家」を見分ける第一歩となります。

【なぜそんなに安いの?低廉な空き家が安い理由】

「低廉な空き家」が安いのには、必ずと言っていいほど理由があります。主な理由は以下の通りです。
1. 立地条件が悪い

  • アクセスが不便: 最寄りの駅やバス停から遠い、幹線道路から奥まった場所にあるなど、交通の便が悪い場所が多いです。
  • 生活利便性が低い: スーパー、病院、学校などの生活に必要な施設が近くになく、車がないと生活が困難な地域に集中しています。
  • 過疎地域: 人口減少が著しい地域や、観光地でもない限り、住む人が少ない地域に多く見られます。

2. 築年数が古く、大規模な修繕が必要

  • 建物の老朽化: 築30年、40年といった物件が多く、雨漏り、シロアリ被害、給排水管の劣化、耐震性の不足など、住むためには大規模なリフォームや修繕が必須となるケースがほとんどです。
  • 設備の故障・陳腐化: キッチン、浴室、トイレなどの水回り設備が古い、あるいは故障しており、交換が必要な場合が多いです。


3. 法的制限や再建築不可物件

  • 再建築不可: 建築基準法上の道路に接していない、あるいは敷地が狭すぎるなどの理由で、現在の建物を解体すると、新しい建物を建てられない「再建築不可」の物件が存在します。これは、将来的な売却や建て替えの可能性を大きく制限するため、価格が安くなる大きな要因です。
  • その他法的制限: 都市計画法による用途地域の制限や、景観条例など、地域の特性に応じた様々な法的制限がある場合があります。

4. 権利関係が複雑

  • 相続未登記: 所有者が亡くなっても、相続登記がなされていない物件の場合、売買契約に至るまでに時間や手間がかかるため、敬遠されがちです。
  • 共有名義: 複数人で所有している場合、売却には共有者全員の同意が必要となり、交渉が難航することがあります。

5. 心理的瑕疵(告知事項)がある
6. 過去に物件内で自殺や他殺など、人の死に関する出来事があった場合、心理的瑕疵物件として告知義務が生じ、一般的に価格が安くなります。

【一般的な中古住宅との違いを明確にする】

一般的な中古住宅は、ある程度の築年数が経っていても、住むために大規模な修繕が不要であったり、立地や法的制限の面で大きな問題がなかったりする物件を指します。
一方で「低廉な空き家」は、前述のような理由から、購入後に追加で多額の費用や手間がかかることを前提として考えるべき物件と言えるでしょう。

【「低廉な空き家」の見分け方と注意点】

低廉な空き家」を見分けるには、単に価格の安さだけでなく、その理由を深く掘り下げることが重要です。

  • 物件情報に記載された「築年数」と「交通アクセス」をチェック: 極端に古かったり、最寄りの公共交通機関から著しく離れていたりする場合は、低廉な空き家である可能性が高いです。
  • 「備考欄」や「特記事項」を徹底確認: 「再建築不可」「大規模リフォーム要」「境界未確定」など、安さの理由が隠されていることがあります。
  • 内見で「異臭」や「傾き」がないか確認: 実際に足を運び、異臭や建物の傾き、雨漏りの跡など、目に見える劣化がないかを確認しましょう。
  • 重要事項説明書の内容を理解する: 不動産会社から提示される重要事項説明書には、法的制限や告知事項など、物件の重要な情報が記載されています。不明な点は必ず質問し、理解した上で判断しましょう。
  • 専門家(建築士や弁護士など)に相談する: 特に修繕費や権利関係、法的制限について不安がある場合は、専門家のアドバイスを受けることを強くおすすめします。

【まとめ】

「低廉な空き家」は、確かに魅力的な価格で手に入る可能性があります。しかし、その安さには必ず理由があり、購入後に多額の費用や手間がかかることを覚悟する必要があります。
単に価格の安さだけで判断せず、なぜその価格なのか、どのようなリスクがあるのかをしっかりと見極めることが、後悔しない家選びの鍵となります。まずは情報収集から始め、疑問があれば積極的に専門家に相談してみてくださいね。