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空き家売却、現状維持か解体か?費用と売却価格を徹底シミュレーション

【空き家売却、現状維持か解体か?費用と売却価格を徹底シミュレーション】

「使っていない実家、このまま売るべきか、それとも壊して更地にした方がいいんだろう…」
空き家を所有している方にとって、売却を考える際に多くの人が悩むのが「現状維持で売るか、それとも解体して更地で売るか」という選択です。この決断は、最終的な手残り金額や売却期間に大きく影響するため、慎重な検討が必要です。
この記事では、空き家を現状のまま売却する場合と、解体して更地で売却する場合のそれぞれのメリット・デメリット、そしてかかる費用を詳しく解説します。具体的な費用の目安を提示し、売却価格への影響をシミュレーション形式で分かりやすく示しますので、あなたの空き家売却の参考にしてください。

【1.現状維持で空き家を売却する場合】

建物が建っている状態で空き家を売却する方法です。
メリット

  • 初期費用を抑えられる: 解体費用がかからないため、手元からの持ち出しを最小限に抑えられます。
  • 買主のイメージがしやすい: 買主は、建物の間取りや広さ、日当たりなどを確認できるため、購入後の生活をイメージしやすくなります。リノベーションを前提とした買主には特に有効です。
  • 買主の建築費用を抑えられる可能性: 買主が建物を活用する場合、新築に比べて建築費用を抑えられる可能性があります。

デメリット

  • 売却価格が安くなる可能性: 築年数が古い、劣化が激しいなどの建物の場合、買主はリフォーム費用や解体費用を考慮するため、その分売却価格が低く設定されがちです。
  • 売却期間が長引く可能性: 購入希望者が限定される(リノベーションを検討する層など)ため、買い手が見つかりにくい場合があります。
  • 特定空き家指定のリスク: 適切な管理がなされないと「特定空き家」に指定され、固定資産税の優遇措置が解除されるリスクがあります。
  • 管理コストの継続: 売却できるまで、固定資産税や維持管理費用(草むしり、清掃など)が発生し続けます。
  • かかる費用(目安)
  • 不動産仲介手数料: 売却価格の3%+6万円+消費税(売却が成立した場合)。
  • 測量費: 土地の境界が不明確な場合。約30万円〜80万円。
  • その他: 登記費用、印紙税、清掃費用など。

【2.解体して更地で空き家を売却する場合】

建物を解体し、土地のみの状態で売却する方法です。
メリット

  • 買い手が見つかりやすい: 更地は、買主が自由に建物を設計・建築できるため、需要が高く、幅広い層にアピールできます。
  • 売却価格の上昇期待: 建物の老朽化によるマイナス評価がなくなり、土地本来の価値で評価されるため、売却価格が上昇する可能性があります。
  • 土地の利用用途が広がる: 駐車場やアパート建設用地など、様々な活用方法を提案しやすくなります。
  • 特定空き家指定のリスク回避: 解体することで、特定空き家指定のリスクを根本的に解消できます。

デメリット

  • 解体費用が発生する: 数十万円から数百万円単位のまとまった初期費用がかかります。
  • 固定資産税の優遇措置解除: 住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により固定資産税が最大で6分の1に減額されていますが、建物を解体し更地にすると、この特例が解除され税額が最大6倍になる可能性があります。解体から売却までの期間が長引くと、税負担が増大します。
  • アスベスト調査・除去費用: 建物にアスベストが使用されている場合、その調査・除去費用が追加で発生する可能性があります。
  • かかる費用(目安)
  • 解体費用:
    ・木造:1坪あたり3万円〜8万円
    ・軽量鉄骨造:1坪あたり4万円〜10万円
    ・鉄骨造・RC造:1坪あたり6万円〜12万円 (※地域、建物の構造・規模、アスベストの有無、敷地の状況によって大きく変動します。残置物撤去費用も別途かかることが多いです。)
  • 不動産仲介手数料: 売却価格の3%+6万円+消費税。
  • 測量費: 土地の境界が不明確な場合。約30万円〜80万円。
  • その他: 滅失登記費用(約数万円)、印紙税、清掃費用など。

【3.徹底シミュレーション:費用と売却価格の比較】

あなたの空き家が、築50年の木造住宅(30坪)、土地の広さ100坪(坪単価20万円)と仮定してシミュレーションしてみましょう。
ケース1:現状維持で売却する場合

  • 売却価格: 土地100坪 × 20万円/坪 = 2,000万円。ただし、老朽化による建物マイナス評価で、仮に1,800万円で売却できたとする。
  • 仲介手数料: 1,800万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 約66万円
  • 手残り概算: 1,800万円 – 66万円 = 約1,734万円
  • ケース2:解体して更地で売却する場合
  • 解体費用: 木造30坪 × 5万円/坪(中間値)= 150万円
  • 売却価格: 更地となり、土地本来の価値で評価され、2,000万円で売却できたとする。
  • 仲介手数料: 2,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税 = 約72万円
  • 手残り概算: 2,000万円 – 150万円 – 72万円 = 約1,778万円
  • その他: 解体後の固定資産税増額リスク(期間による)

このシミュレーションでは、解体して更地で売却した方が、最終的な手残り金額が少し多くなる結果となりました。ただし、これはあくまで一例であり、物件の状態、立地、地域の需要、解体費用によって大きく変動します。

【まとめ:あなたの空き家に最適な選択を】

空き家を現状維持で売却するか、解体して更地にするかは、あなたの空き家の状態、立地、売却までの期間、そして手元に残したい金額によって最適な選択が異なります。

  • 建物がまだ使える、リノベーション需要が見込める場合:現状維持も選択肢。
  • 建物が極めて老朽化している、早めに売却したい、土地の魅力を最大限に活かしたい場合:解体して更地も有力な選択肢。

最も重要なのは、複数の不動産会社に相談し、現状での査定と、解体後の査定の両方を出してもらうことです。さらに、信頼できる解体業者から正確な見積もりを取り、固定資産税のシミュレーションも含めて、費用と売却価格のバランスを総合的に検討しましょう。あなたの空き家に最適な売却方法を見つけてください。