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「空き家バンクってよく聞くけど、結局何ができるの?」「うちの空き家を登録できるのかな?」「田舎で安く家を探してるんだけど、どう使えばいいんだろう?」
近年、全国的に増え続ける空き家問題の解決策として注目されている「空き家バンク」。メディアでも取り上げられることが増え、耳にする機会も多くなりましたが、その具体的な仕組みや利用方法については、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、空き家バンクの基本的な定義から、利用するメリット・デメリットまでを分かりやすく解説します。さらに、空き家を登録したい売主の方と、空き家を探している買主(利用希望者)の方、それぞれの具体的な利用手順を最新の情報に基づいてステップバイステップでご紹介します。初めて空き家バンクを利用する方でも迷わない、完全ガイドを目指します。
【1.空き家バンクとは?その基本的な仕組み】
空き家バンクとは、主に地方自治体が主体となって運営する、空き家の情報提供システムのことです。
具体的には、
- 空き家を「売りたい」「貸したい」所有者(売主・貸主)
- 空き家を「買いたい」「借りたい」利用希望者(買主・借主)
をマッチングさせるためのプラットフォームとして機能しています。
自治体が間に入ることで、所有者にとっては売却・賃貸の機会を、利用希望者にとっては地域に根ざした掘り出し物件を見つける機会を提供しているのが特徴です。
【2.空き家バンクを利用するメリット・デメリット】
空き家バンクは便利な仕組みですが、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
メリット
- 購入・賃貸費用を抑えられる可能性: 一般の不動産市場では流通しにくい、低価格の物件や賃料が安価な物件が見つかることがあります。
- 自治体の支援制度が利用できる場合がある: 多くの自治体が、空き家バンクを通じて物件を購入・改修する利用者向けに、補助金や助成金制度を用意しています。移住支援と連動していることも多いです。
- 掘り出し物件が見つかる可能性: 一般の不動産会社が扱わないような、個性的な物件や歴史のある物件が見つかることがあります。
- 売却・賃貸の機会を創出: 空き家所有者にとっては、活用に困っていた物件の買い手や借り手を見つけるチャンスが広がります。
デメリット
- 物件数が限られる: 地域によっては登録物件が少ない場合があります。
- 物件の状態にばらつきがある: 低価格である分、大規模な修繕が必要な物件や、立地条件が不便な物件が多い傾向にあります。
- 手続きに時間がかかる場合がある: 所有者との直接交渉や、自治体独自のルールがあるため、通常の不動産取引より時間がかかることがあります。
- 情報の鮮度が低い場合も: 物件情報がリアルタイムで更新されていないケースも稀にあります。

【3.空き家バンクの利用手順:売主側(登録希望者)】
空き家を売りたい・貸したい所有者の方は、以下の手順で空き家バンクに登録します。
STEP1: 自治体への相談
まず、空き家がある市町村の役場(担当部署は「空き家対策課」「定住促進課」などの場合が多いです)に連絡し、空き家バンクの制度について確認しましょう。登録条件や必要な書類、手数料の有無などを把握します。
STEP2: 登録の申込み
自治体から指定された「空き家バンク登録申込書」などの必要書類を提出します。物件の情報(所在地、間取り、築年数、希望価格など)を詳細に記載します。
STEP3: 物件の調査・確認
自治体の担当者や連携する不動産会社が、登録された空き家の現地調査を行う場合があります。物件の状態や設備の状況、法的な問題(再建築不可など)がないかを確認します。
STEP4: 情報の公開
調査が完了し、登録が承認されると、空き家バンクのウェブサイトなどに物件情報が公開されます。
STEP5: 利用希望者とのマッチング・交渉
空き家バンクを通じて利用希望者が見つかると、自治体や提携不動産会社を通じて連絡が入ります。内見の調整、価格や賃料、引き渡し条件などの交渉を行います。
STEP6: 契約・引き渡し
条件が合意に至れば、売買契約または賃貸借契約を締結し、物件の引き渡しを行います。この際、不動産会社が仲介に入る場合は、所定の仲介手数料が発生します。

【4.空き家バンクの利用手順:買主側(利用希望者)】
空き家を安く買いたい・借りたい利用希望者の方は、以下の手順で空き家バンクを活用します。
STEP1: 希望エリアの空き家バンクを検索
住みたい・利用したい地域の市町村が運営する空き家バンクのウェブサイトをインターネットで検索します。複数の地域の空き家バンクをチェックするのも良いでしょう。
STEP2: 物件情報の閲覧・問い合わせ
ウェブサイトで公開されている物件情報を閲覧し、気になる物件があれば、自治体または掲載されている不動産会社に問い合わせます。物件の詳細情報や内見の希望を伝えます。
STEP3: 現地内見
実際に物件を訪問し、内装や設備の状態、周辺環境などを確認します。この際、大規模な修繕が必要かどうか、自分で対応できる範囲かなどをしっかり見極めましょう。可能であれば、建築の専門家(工務店や建築士など)に同行してもらい、修繕の見積もりを取ることをおすすめします。
STEP4: 交渉・申し込み
物件が気に入ったら、価格や賃料、引き渡し時期などの条件について所有者と交渉します。自治体や提携不動産会社が仲介に入ってくれることが多いです。
STEP5: 契約・引き渡し
条件が合意に至れば、売買契約または賃貸借契約を締結し、物件の引き渡しを受けます。
【5.空き家バンクで売れない空き家は「訳あり物件」かも?】
空き家バンクは便利な制度ですが、残念ながらすべての空き家がスムーズに売却・賃貸できるわけではありません。空き家バンクに登録してもなかなか買い手が見つからない場合、以下のような特徴を持つ「訳あり物件」に該当する可能性があります。
- 物件の状態が極端に悪い: 大規模な修繕が必要なほど老朽化が進んでいる、雨漏りやシロアリ被害が深刻、といったケース。購入後の費用負担が大きすぎると、一般の買主は敬遠します。
- 相場よりも高い価格設定: 所有者が希望する価格が、周辺の不動産相場や物件の状態に見合っていない場合。
- エリアに需要がない: 人口減少が著しく、移住希望者も少ない、または交通の便が極めて悪いなど、そもそもそのエリアに不動産の需要が低い場合。
- 掲載写真や情報が魅力的でない: 物件の魅力を伝える写真や説明が不足している場合、せっかくの物件も注目されません。
このような場合、単に空き家バンクに掲載するだけでは解決が難しいかもしれません。売却を希望する場合は、不動産会社に相談して仲介売却や買取を検討したり、リフォームや更地にして売却する方法も有効です。

【まとめ:空き家バンクで解決しない場合は「訳あり物件レスキュー隊」へ!】
空き家バンクは、空き家問題の解消と地域の活性化を目指す、非常に有効な仕組みです。安価で物件を見つけられる可能性がある一方で、物件の状態や手続きに時間や手間がかかる場合がある点も理解しておく必要があります。
もし、あなたの空き家が空き家バンクに登録してもなかなか売れない、あるいは売却を諦めかけている「訳あり物件」に該当する場合は、ぜひ私たち「訳あり物件レスキュー隊」にご相談ください。
私たちは、様々な事情を抱える空き家や不動産の買取を専門としています。物件の状態が悪い、遠方で管理が難しい、複雑な権利関係で悩んでいるなど、どんな「訳あり」でも問題ありません。お客様一人ひとりの状況に合わせ、最適な解決策をご提案し、迅速な現金化をサポートいたします。
空き家に関するお悩みは、決して一人で抱え込まず、まずはプロに相談してみませんか?